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足元から閃け!超実戦的スイング力 その1「中井 学プロは悩んでいる」

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足元から閃け!超実戦的スイング力

【序章】
プロゴルファー中井 学は悩んでいた・・・

中井 学プロはこれまで“ゴルフスイングには腕の力は必要ない”、と核心をあらゆるメディアで提唱し続けてきた。

昨今はYouTubeという動画文化が進化したおかげで、あらゆるトッププレーヤーたちもその核心を各々配信してくれるおかげで、多くのアマチュアゴルファーにも手打ちがもたらす弊害をご理解いただけたかもしれない。
腕を使わない=体と腕の動きをシンクロさせる、分かったような分かっていないような難しい言葉と動きのメカニズム。
本当に正しい動きを体感してもらうためには、下半身の動きをもっと意識するしかない、という結論に至った。ゴルフスイングのパワーの源は全て下半身、レッスンとしても超難テーマだけに中井プロは悩んでいたのだ。

スイングのパワーの源である下半身の動きをどうすれば皆様にわかりやすくご理解いただけるのか・・・

特別講師:中井 学プロ
なかい がく、1972年4月14日生まれ、UUUM所属。
人気プロコーチとして活躍中の最中、2015年にプロテストを2位で合格。実力ある一人のプレーヤーとして、よりプレーヤー目線に立ったレッスン活動に邁進する。
BUZZ GOLFでは「マナベルト」をはじめオリジナルの練習器具を開発、今号では新作開発に至ったスイングの真実をお届けしていく。


撮影=田中 宏幸、取材協力=こだまゴルフクラブ

ゴルフスイングは、
筋力=パワーが集中している下半身をフルに使いたい

【第一章】
スイングの意識を上半身から下半身へ集中させたい

言葉だけではコツをうまく伝えられないもどかしさ

レッスン誌面というのは正直難しさが付きまとう。この場で読者の皆様にどこまで正しい情報を伝えられるか定かではないし、間違った解釈・フィーリングを与えかねない。
だからターゲットをしっかり絞って、単刀直入に現症状に対して“やるべきこと”を明確にするのが常だ。
が、今回のテーマは、ほぼ全てのアマチュアゴルファーに当てはまる重要課題だ。

それは“腕を使わない”というスイング論を提唱し続けてきた中井 学プロにとっても、これまでに強調して展開することのなかった着眼点であり、そこに核心があるからである。

中井プロ「ゴルフスイング中の意識は多くのアマチュアゴルファーの皆様が上半身の動きに集中しているはずです。そして多くのレッスンでも内容は上半身の動きに集約されています。ただ体を構築する筋肉量は、圧倒的に下半身に集約されています。その動力をうまく使うコツを体得しないと、クラブを振り切る=パワーを放出する、という動作にそもそも繋がっていきません」。

ゴルフスイングで悪の象徴とされる“手打ち”は、体の回転運動と腕がシンクロしていないことを意味し、さらに根本論を言えば下半身が生み出すパワーであるスピードアップや反復力が生きていないことを意味する。

中井プロ「ゴルフスイングにおいて意識的には、下半身はアグレッシブ(約7割)に、上半身はできるだけ静か(約3割)に、動かす感じ。上半身はあくまで下半身主導のスピードに連動して振っていくだけなんです」。

口で言うのは簡単・・・。全プロゴルファーが自然と行なっているこの動作を、わかりやすく読者の皆様へ伝えるのは至難を極める。だから中井プロは頭を抱えているのだ。

COLUMN
いろんなロケーションでショットを要求されるコースでは
下半身を意識した方がやさしい

様々なライやロケーションで、ボールをクリーンにヒットさせるには、下半身の安定性がクラブスピードの動力、そしてボールへのミート、つまりショット安定性の肝になります。
もちろん弾道の打ち分けによって、ボールへのクラブヘッドのアタックはイメージしますが、それよりも下半身の重心バランスをイメージが重要。
ショットをシンプルにするためには下半身に意識を集中させた方がやさしいのです。

COLUMN
不意に訪れる会心の一撃の正体

1日のラウンド中でミドル、ロングホールと最高14回、ドライバーショットを打ちます。
その中で不意に訪れるバカ当たり、って誰しもありますよね。ただ、連発できない常。それは正しい理由がわからないからです。
会心の一撃の正体は明確、下半身をうまく使い全力パワーを出して良質なスイング軌道で振っていけたからに他なりません。多くのアマチュアゴルファーは視覚的な要素で理由を追求しがち、つまり上半身意識に固執するためナイスショットに繋がりにくくなってしまうのです。

諸悪の根源は下半身にあり

【第二章】
プロゴルファーのような美しいスイングになれるのは
ある意味“運”かもしれない

大人は上半身の筋肉のみで
それなりに打ててしまう

プロゴルファーのような美しいスイングにはアマチュアゴルファーなら誰しもが憧れる。
が、同じゴルフクラブを打つ動作の中で、こうもスイング軌道に大きな差が現れるのはなぜだ。

中井プロ「プロゴルファーは大抵、ジュニアの頃からゴルフをスタートさせています。つまりスタート時点では体力以上に重たいクラブを全力で振る動作、つまり下半身(腰)を先行させてアグレッシブに使うことを自然と身につけているのです。
対して社会人、つまり大人からゴルフをスタートされた方は、上半身や腕の力だけでクラブを振ることが自然とできてしまう。
プロとアマで生まれるスイングフォームの差は、そもそもスタート地点で自ずと感じるもの、学ぶものが異なって起きるのです」。

加えて大人からゴルフをスタートさせると、プラスαでスイングを形成させる致し方無い弊害も付きまとう。

中井プロ「紳士のスポーツ・ゴルフでは、まずラウンドで他人に迷惑をかけないことを、当たり前ですが大人はマナーを重んじます。
その結果、空振りをしない、手先でボールを打つ・・・遵守すべきゴルフのマナーという性質が負のスイングを形成させていくのです。“思い切り全身を使って飛ばす”ジュニアゴルファー、“なんとか真っ直ぐ飛ばす”大人ゴルファーが、どちらが全力でクラブを振れる美しいスイングフォームになれるか、一目瞭然です」。

つまりアマチュアゴルファーにとって美しいショットフォームを身につけるのは、よっぽどいいコーチにつくか、あるいはうまくコツに気づけるか運でしかないという。

全てのショットフォームを作り出すベースは下半身の動きにあり。

アマチュアゴルファーにとって諸悪の原因である下半身の動きをどうやって改善させるかが、中井プロが見出した歩むべき結論である。

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